ごみ屋敷全焼!隣家は賠償請求できるのか

ごみ屋敷全焼!隣家は賠償請求できるのか
ごみ屋敷全焼!隣家への賠償はどうなる?

2015年8月25日午後、愛知県豊田市の住宅で木造住宅が全焼した火災事故が物議をかもしています。全焼した住宅は
以前より一人暮らしの男性が生ごみを集めて溜め込んでいたごみ屋敷と呼ばれており、火のまわりが早く両隣の住宅が類焼し1棟全焼1棟半焼という被害が出ています。本件については失火元が特殊な状況なため、ネット上では近隣住宅への賠償や補償について議論が交われています。

隣家は賠償を受けることが出来るのか

日本は失火責任法という法律に基づき、類焼被害を受けたとしても失火元に賠償責任はないと決まっています。隣家の住民が各自で火災保険に加入していれば間違いなく補償を受けることができますが、そうでなかった場合失火元に賠償請求をすることは不可能なのでしょうか。

賠償責任の決め手「重大な過失」

失火責任法が適用されないケースとして「失火元に重大な過失が認められる場合」というものがあります。重大な過失とは「注意をしていれば未然に防げたであろう火事の要因を見過ごした状態」であり、以下のような例が挙げられます。

  • 寝たばこ
  • 暖房器具の消し忘れ
  • ガスコンロでてんぷら油を火にかけたまま放置した。
  • 石油ストーブの燃料としてガソリンを使用した。

火災事故の火元は未だ判明していませんが、家主の男性は「蚊取り線香の火が燃え移った」と主張しています。この証言が事実であれば重大な過失の条件を満たさないため失火法は適用され賠償を求めることは難しいでしょう。ところがこのごみ屋敷にはまだ問題があったのです。

ごみ屋敷、過去に数件のボヤ騒ぎ

ごみ屋敷、過去に数件のボヤ騒ぎ

火災事故が起きたごみ屋敷は過去に3回も消防車を呼ぶボヤ騒ぎを起こしているのです。事故を懸念した近隣住民は市と協力して過去に幾度もごみの撤去作業を行っており、最近では7月にも実施していたようです。このことから家主は将来的に火災事故が起こることを容易に想定できたとみなされ「火事の要因を見過ごした」と捉えられる可能性もあります。

このようなケースは火災事故だけではありません。例えば台風により自宅の樹木が隣家に倒れこみ損害を与えたとします。その場合は自然災害が原因の「偶発的かつ突発的な事故」とみなされ賠償責任は発生しません。ところが「樹木が明らかに不安定で危険な状態であったにも関わらず固定するなどの処置を行わなかった」場合は危険であると分かっていたのに事故の要因を見過ごしたとして賠償責任が発生することも考えられます。

これらの状況を考慮すると重大な過失が認められ類焼した隣家が賠償請求ができる可能性もあると言えるでしょう。しかし重大な過失は正確な基準が設けられておらず、案件により結果が異なってきます。また賠償責任が認められても失火元に支払い能力がないことも想像できます。確実に家を守るためには自らが火災保険に加入しておく必要があります。

家を守るために必要な火災保険

失火責任法は木造住宅の多い日本で失火元の負担を軽減するために古くに定められた法律です。このことから日本では自分の家を自分で守らなければいけないという風潮があり、火災保険も特約を除けば契約者宅にしか適用されません。今回の事件でも類焼先が火災保険に加入していればしっかりと補償を受けることが可能でしょう。

火災保険は火災事故だけではなく風災・雪災・水災などの補償を受けることもできる言わば家災保険です。自然災害や火災事故の多い昨今では自分の家や財産、そして家族を守るために火災保険に加入することが最も効果的と言えます。

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