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自然災害

火災保険における水災とは?補償条件と補償追加まで徹底解説!

火災保険を契約する際、水災補償に加入するべきなのかと悩む人も少なくはないでしょう。反対に、地域によってはこれまで水災被害にあったことがなく、必要性を感じていない方も多くいるといえます。

しかし、気象庁のホームページによると近年はゲリラ豪雨の発生回数が増加傾向にあると発表されています。2018年には西日本豪雨災害が起こるなど、地球温暖化が原因で予期せぬ大災害に発展することもありました。

今回は水災補償について詳しく解説します。

この記事でわかること

この記事でわかることは、火災保険の水災補償の内容についてです。

水災補償の条件や補償の追加(途中加入)、請求手順に関しても把握できます。

水災補償の加入に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

火災保険の水災とは

火災保険における水災にあてはまるのは以下の災害です。

  • 大雨による河川の氾濫
  • 大雨による土砂崩れ・高潮
  • マンホールなどから雨水が溢れる都市型水害

 

注意点として、水災のみの加入は不可能である点です。火災保険の契約時に水災補償を特約で追加して加入します。少々割高なため、水災が発生しにくい土地へお住まいの方は加入していない人も多いでしょう。

しかし、近年ではゲリラ豪雨の増加により、普段雨が多く降らない土地でも豪雨で河川の氾濫や都市型水害が度々確認されています。そういった都市型水害でも補償適用の対象とされる点は把握しておきましょう。

水災対策は必要か?補償の加入率

損害保険料率算出機構によると、2019年度の水災補償の付帯率(加入率)は全国で67.8%というデータが発表されています。実は水災補償の付帯率は2015年度の73.4%以降、翌年から2019年度まで年々下がり続けているのです。近年では、地球温暖化による異常気象で豪雨災害や台風被害が多くなっています。

災害が増加傾向になっているにも関わらず、年々付帯率が下がっている理由は、保険料の増加が背景にあるためです。被害件数が増加した分は、保険会社が補償し負担します。加えて、被害規模が大きいほど、補償する金額が上昇し、比例して月々の料金も上がっている状態です。

なお、水災による損害を修復するには、多大な費用や手間がかかります。普段あまり雨の降らない地域でも、突然の集中豪雨で床下浸水となるなど、猛烈な台風による被害が多くなっています。特に水災に関しては年々付帯率が下がってきてはいますが、むしろこれからの時代には必要な補償です。

水災補償に加入するべきか迷った場合には、災害リスクを十分に検討しましょう。

 

水災補償の条件

水災補償を受けるには一定の水準に達していなければなりません。一例として以下の条件があります。

  • 床下・地盤面から45cm以上の浸水
  • 再取得価額30%以上の浸水損害
  • 条件なし

床下浸水はその名の通り、フローリングや畳みなどの床を超える浸水を指します。また、再取得価額とは、保険の対象であるもの(建物・家財)と同等のものを新調する際に必要となる金額を指します。保険会社により名称が異なる場合があるので確認が必要です。なお、条件がないといった保険会社もあります。

支払いの際には、実際の70%などの縮小支払いといった仕組みがあることも把握しておきましょう。

 

【水災補償対応】想定される被害

水災補償の対象となる事例は以下のとおりです。

①台風で川の堤防が決壊して家が浸水
②雨で裏山が土砂崩れして家が流された
③集中豪雨で床上浸水して家電が壊れた
④エアコンの室外機が洪水で水没した
⑤雪解け水で洪水になり、床下浸水した

③の場合は、家財を水災補償でも適用対象としていることが条件です。なお、家具家電の他に衣類や布団は家財として認められています。⑤の場合は、風災補償と間違われることがありますが、雪に溶けた“水”が原因で損害を受けるため、水災補償として扱われるので注意してください。

 

【水災補償対象外】勘違いされやすい想定被害

水災補償と間違われやすい被害事例は以下の通りです。

 

①上の階から水が漏れて家具が水浸しになった
②トイレの配水管が詰まって水が溢れた
③お風呂のお湯を流しっぱなしにして家中水浸しになった
④消火のための放水で家の窓ガラスが割れた

 

上記のような被害は水災ではなく、同じ火災保険でも「水ぬれ」として補償されます。水による被害であるため、水災補償と間違われやすい事例です。なお、③の場合は不測かつ突発的事故の補償でお支払いされます。④は火災補償での補償対象です。

 

水ぬれの補償は主に、水道管・排水管・雨どいなど、給排水管の事故による被害に適用されることを覚えておくといいでしょう。判断が難しい場合は、気軽に保険会社に尋ねてみましょう。

 

【注意】水災補償が支払われないケース

水災補償に加入していても、補償してもらえない場合があります。

①故意的に損害を加えた場合
➁補償の支払い基準を満たしていない

 

主に上記の2点です。特に②はよくある事例で、床下浸水していたとしても冒頭で紹介した補償の基準にまで達してないために、補償が受けられなかった方も少なくありません。しかし、近年では保険会社によるプランの見直しがされているため、本来の基準に満たない場合でも、保険会社の規定により何割か補償される場合もあります。

補償内容は保険会社のHPなどで改定されるため、定期的に確認しておきましょう。

 

火災保険の相場と水災補償額

火災保険の水災は、補償される内容や建物の造り、お住まいの地域によって相場が変わります。水災は他の補償額より少し高額となっているため、保険料が高い点は把握しておきましょう。

人気保険会社、3社の平均相場は以下の通りです。
【※モデルケース 東京都で新築 保険期間10年 補償額(建物/家財)1500万/300万】

 

表1

 

火災

風災

水災

保険料相場

1年の保険料

M構造(マンションなど)

¥65,360

¥6,536

T構造(鉄骨、木造耐火住宅など)

¥110,040

¥11,004

H構造(木造住宅)

¥235,656

¥23,565

 

火災保険で水災を選択すると風災保険もついていることが多く、火災保険に加入する多くの場合は上記のような相場となるでしょう。なお、上記と同じ条件で水災補償を組み込まない保険料の相場は以下の通りです。

 

表2

 

 

火災

風災

水災

10年契約で保険料の相場

M構造(マンションなど)

×

約¥40,000前後

T構造(鉄骨、木造耐火住宅など)

×

約¥70,000前後

H構造(木造住宅)

×

約¥140,000前後

 

表を元に水災補償単体の相場を割り出してみます【表1ー表2=水災補償単体料金】

 

表3

 

M構造(マンションなど)

T構造(鉄骨、木造耐火住宅など)

H構造(木造住宅)

水災単体の相場

約¥25,000前後

約¥66,000前後

約¥95,000前後

1年間の保険料

約¥2,500前後

約¥6,600前後

約¥9,500前後

上記表で示すとおり、火災保険の約4割が水災補償の料金です。なお、建物の構造と地域によって変動しますが、基本的に燃えやすいH構造の保険料は割高に設定され、燃えにくいT構造等の建物は割安となっています。水災のみの契約は不可能です。

 

火災保険の水災は後で追加(途中加入)できる?

火災保険に水災補償の追加(途中加入)は不可能ではありません。しかし、ほとんどの保険会社で不可能に近いと考えておきましょう。なお、保険会社によって条件も変わってきます。追加する際の確認事項と追加を希望する際の注意点について詳しく解説します。

 

火災保険の水災を追加する前に

水災補償を追加の検討をおこなう際には、ハザードマップで地域の洪水・土砂災害の確認をしておきましょう。ただし、データが反映されていない場合もあるため、あくまでも参考程度に見てください。実際に令和元年に発生した台風15号では、千葉県の一部の地域で甚大な被害にあっていたのにも関わらず、ハザードマップには反映されていなかったという事案がありました。

 

なお、傾向として、一度氾濫が発生した地域は保険料が割高となる可能性があります。「以前、近くの河川の水が氾濫推移まで上がってきて不安で…」という方が追加で補償に入りたいと検討されることが多いです。

追加で加入するよりは、初めから加入しているほうが安心といえるしょう。

 

 

 

火災保険に水災を追加したい場合

自宅付近の洪水ハザードマップなどを確認したうえで、水災補償を追加したい場合は、現在契約中の火災保険会社に問い合わせをしてみましょう。後付けの方法は以下の2つの方法があります。

  • 一度解約して再度契約しなおす(ほとんどの会社はこちらが一般的)
  • 追加の保険料を払えば追加ができる

後付けが可能な場合でも、翌年の保険始期日と同じ月日でないと適応されないこともあるため、直接保険会社に問い合わせるのが得策だといえます。

 

火災保険における水災補償の請求手順

火災保険の水災で保険金を請求する流れをみていきます。

1.被害の報告をする

契約者から保険会社に水災の被害を電話で報告します。その際、手元に保険証券を用意しましょう。ただし、水災被害で保険証券が流されてしまったなどで手元に用意できなくても問題はありません。

電話で保険会社に以下の内容を伝えます。

  • 契約者名
  • 保険証券番号(なくても大丈夫です)
  • 損害があった日時と場所
  • 損害の状況を説明

 

なお、災害時には「自然災害等損保契約照会制度」があり、保険証券がなく、どこの保険に加入していたか分からなくなってしまった場合、「自然災害等損保契約照会センター」でお客様情報を照会を行うことができます。ただし、回答までには受付して最大で2週間ほどかかるため、把握しておきましょう。

 

2.保険会社と必要書類のやりとり

電話での報告が終わると、数日後に保険会社から必要書類が届きます。保険金請求書を記入したのち、以下の書類を用意し、まとめて返送しましょう。

 

  • 罹災証明書(消防署や消防出張所で交付。無くても大丈夫です)
  • 被害状況が分かる写真やデータ
  • 修理業者からの見積書(報告書)

 

罹災証明書は必ずしも必要という訳ではありません。なくても大丈夫な場合が多いです。なお、被害が大きく、請求する金額も大きくなった場合は、印鑑証明書と建物登記簿謄本を一緒に送付しなければなりません。状況と見積金額で判断するか、判断しきれない場合は保険会社の方に相談してみましょう。

 

3.保険会社の損害調査がある

必要書類を送付すると、後日、保険会社による損害調査が実施されます。状況確認と調査をしたのち、送付した画像やデータと損害状況の調査結果を精査し、保険金支払いの認定が行われる流れです。

 

4.保険会社から保険金が支払われる

調査と認定が終了すると、保険会社から保険金が指定口座へ支払われ、手続き完了となります。入金完了後、修理業者に修繕工事を開始してもらいましょう。1~4までのやり取りは1ヶ月前後で行われます。なお、保険金を使用した場合でも、火災保険では車両保険のような翌年から保険料が上がることはありません。しかし、加入時に割り引いてもらっている場合は、以降適応されず安くならないことはあるので、確認しておくといいでしょう。

 

火災保険の水災補償で気を付けること

仮に火災保険の加入が古い方は、現在のプランと大きく変わっている可能性があります。「うちは入っているから大丈夫」と安堵するまえに、今一度プランの確認をしておきましょう。

 

保険の見直しは定期的に行う

保険内容は定期的に見直しが必要です。家族構成の変化があった場合や、自宅の増改築をした場合などのタイミングで見直しをしてみましょう。家族が増えた分だけ家財は増えますし、増改築すれば現状の補償金額では満足できる補償を受けられない可能性がでてきます。また、これまでに住まいを購入し、火災保険を長期の年数で契約した補償の場合、損害額の最大70%までしか補償されない契約も存在しているのです。

いつ起こるか分からない自然災害への備えの第一歩が保険の見直しでもあります。せっかく毎月保険料を支払っているのであれば、満足のいく補償を受けたいでしょう。そのためには見直しが大切といえます。特に長期の契約で火災保険を契約されている方は注意が必要です。

生活環境が変わったタイミングで火災保険の見直しを行い、基本的には保険会社に相談しましょう。

まとめ

今回解説した火災保険の水災補償について、再度要点をまとめると、下記のようになります。

①火災保険の水災は初めから入っておきたい
②火災保険の水災は水ぬれと間違えられやすい
③水災補償の途中加入は保険会社による
④火災保険は定期的な見直しが必要

近年の地球温暖化による異常気象から大きな災害への備えは、納得のいく火災保険の水災補償を契約しましょう。

執筆したライター

山下 香

夫と子供と祖母の4人家族。8年前にマイホームを購入し、あいおいニッセイ同和損保の火災保険に一括払いで加入しました。我が家は家の庭でBBQをするのが好きで、年に数回楽しんでいます。

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